わたしの、祖母に関するいちばんはじめの記憶は、畳の部屋で化粧台の前に正座をした祖母が、口紅を引いているところだ。上唇と下唇に塗ったあと、上下のくちびるをすりあわせて色を伸ばしていたのをよく覚えている。祖母はいつも赤い口紅を塗っていた。それ…
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