わたしの、祖母に関するいちばんはじめの記憶は、畳の部屋で化粧台の前に正座をした祖母が、口紅を引いているところだ。上唇と下唇に塗ったあと、上下のくちびるをすりあわせて色を伸ばしていたのをよく覚えている。祖母はいつも赤い口紅を塗っていた。それ…
ずっと同じ人のことをすきだったり、応援していたりするというのは、精神的にものすごい異常なことだと常々思っていて、それは自分にはまず存在しない類の感情なのだろうと思って生きてきたのだけど、存在しなかったはずの感情を手にしてからもう1年もたっ…
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