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そんじゃここまでだ、さよなら

section-33

3月25日、無事に大学を卒業した。今年は新型コロナウイルスの影響で卒業式ができず、学位をもらいに指定された教室に出向いて、学科の友人たちと最後のお別れをするという特殊な最後を迎えた。

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当日指定された教室に行くと、女の子たちはみんな色とりどりの袴を着ていて、どの子もみんなとてもきれいだった。学位を受け取ってからも教室にとどまっていたら、写真を撮ろうと声をかけてくれた女の子たちが何人かいて、一緒に写真を撮ってもらった。そして4年間を一緒に過ごした男の子たちにはリンツのチョコをいただいたが、わたしがもらったのにほとんどみんなに食べられた。

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4年前、入学式の次の日から体調を崩してオリエンテーションを休んだおかげで、女の子たちのグループに入れないまま大学生活がスタートした。中高6年間を女子校で過ごしたくせに女の子との距離の詰め方がわからず、4年間のほとんどを学科の数少ない男の子たち(心理学科は女子が8割、男子が2割)と過ごした。大学に入ってはじめに驚いたことは、女の子たちが当たり前に「トイレ行こう〜」といわゆる連れションをしていることと、その連れションに男の子も同伴させていたことである。そもそも連れションという文化が存在しない中高時代を過ごしてきたわたしは「ほんとにあるんだ……」と都市伝説を目の当たりにしたようなきもちになった。

女子校時代の友だちに話しかけるように男友達とふつうに話していただけなのに、よくわからない噂を立てられて、最初の2年間はかなり学科の女の子たちに嫌われていた。目の前で「男好きらしい」とか「めちゃくちゃ遊んでる」とかヒソヒソ悪口を言われたことも何度かある。それはすべて事実と異なっていたのであんまり気にせず気にも病まずにいたのだが、女の子たちからすればそんな悪口を目の前で言われながら普段通りに過ごしていたわたしの態度が気に入らなかったのだろうと思う。でもわたしはほんとうに気にしていなかったのでしかたがない。強いて言うなら、女友達がたくさんいるように男友達がたくさんできたというただそれだけのことをなんで他人からやいやい言われなきゃならないんだと思っていた。わたしのために悪口を言う時間を取ってくれてありがとうとすら思っていたので、わたしはたぶん自分が思う数倍は生意気なのだろう。

2年生が終わるまではわりと男の子たちと過ごしていた。男子4人の中にわたしひとり女子で、5人で食堂に集まってレポートをやったり、ご飯を食べたり、空き時間にカラオケに行ったりして過ごした。幼馴染以外に同年代の男友達がいなかったわたしにとっては、同年代の男の子たちが普段なにを考えて過ごしているのかを知る良い機会だった。「なぜ人は生きているのか」「神の存在はほんとうに人間を救うと思うか」「なぜ自分ひとりでも生きていけるのに他者との繋がりを作ろうとするのか」といったエセ哲学やエセ宗教論を永遠に語りあっていた高校時代の友人とは全く異なり、彼らは常に学科のだれちゃんが可愛いだの、だれとだれが付き合っているだの、彼女への誕生日プレゼントが決まらないだの、近くで風船が割れた瞬間にどうでも良くなるような話題ばかりを振り続けてきていたが、それはそれで次の日に何も覚えていないほど中身が薄くて楽しかった

3年になり、就職希望の友達4人と院志望のわたしはとる授業が違ってたりして一緒にいないことが増えていった。たいていそういうときはひとりで授業を受けていたのだが、学科の授業の時に恐る恐る話しかけてきてくれた女の子と普通に話していたら「みのりちゃんってすごい優しいし普通なんだね、今まですごく怖くてチャラい子なんだと思ってた」と謝られた。さほど人見知りもせず性別に区別があまりないのでだれと話す時もわりと自然体でいるつもりだったのだが、そうかわたしは怖いイメージをもたれやすいんだなと思った。そのほかにも「みのりちゃんって笑うんだね」「思っていたよりも普通だね」「男の子より紳士的だね」などなど、ツッコミどころ満載な言葉を投げかけられたりもした。だんだん学科の女の子たちとの意味のわからない確執はなくなっていき、授業や学科の合同研究室内で会えばだれとでも挨拶を交わせるようになった。

卒論を書き始めてからは同じく卒論を書いている子たち(4年次の卒論執筆は任意)と仲良くさせてもらい、みんなでパソコンを囲みながらあーだこーだと討論をして書き上げることができた。途中で嫌になって横浜にドライブしたり、カフェでじゃんけんして負けた人が全額払ったり、もういやだ〜と発狂しかけてすべてを投げ出して飲みに行ったり。大学4年生の卒論の執筆は、正直かなりきついものがあったけれど、友人がいてくれたからできたと言える気がする。ほんとうにありがとう。これ読んでる?絶対読んでないだろうな

いつの時代もそうだけれど、振り返ってみるとそのほとんどがいい思い出になっている。経済的な事情で仕方なく入った大学だったけれど、その場所で与えられた出会いによっていろんなことを経験して、高校三年生だったころよりも成長できたという実感がある。

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学位をもらったあとは4年になってから仲良くなった超美人な女の子(学科の同期)と飲みに行って、目黒川沿いの桜を見た。友達は合流した時点でべろべろに酔っていて、もう学校でみのりに会えないの寂しすぎる〜と言いながら大号泣していた。人目もはばからず大泣きする彼女の手を握って恵比寿の街を歩いたこと、たぶん一生忘れないと思う。恥ずかしかったな〜

4月からは半社会人、半就活生になる予定でいる。大学院入試に落ちてしまったわたしを、1年生のときからお世話になっているバイト先の方々が救いあげてくださった。さらにありがたいことにそれだけでなく、就活しなくてもうちに就職してくれたらうれしいとまで言ってくださっている。ありがとうございます。どんなものであれ信頼されるというのはうれしいこと。

春からは塾講師と学童のお姉さんと事務をやる予定です。今までと変わらずライブに行けるといいなあ。

これからもつらつら思ったことや考えたことを深夜テンションで勢いのまま書いていけたらなと思っていますので、みなさま今後ともよろしくお願いいたします。